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最高裁判所第三小法廷 昭和32年(オ)803号 判決 1957年12月24日

主文

原判決を破棄し本件を東京高等裁判所に差し戻す。

理由

上告代理人鈴木義男、同高屋市二郎、同河野太郎の上告理由第一点について。

所論の下条愛一(摘示の「条」の略字および類字の分を含む)と記載する投票(原判決理由第二の二の(一)参照)は、候補者上条愛一の存する場合、他に下条康麿なる候補者があつても、これを上条愛一の誤記と認めるを相当とする。このことは当裁判所判例の趣旨とするところである(当裁判所昭和三一年(オ)第一〇二四号同三二年九月二〇日第二小法廷判決参照)。

されば右の異なる見解に立つ原審の判断は誤りであつて上告理由はこの点において理由あるに帰し、他の論旨について判断するまでもなく原判決は破棄を免れない。よつて前示の趣旨にかんがみ各投票について審理を遂げるため原審に差し戻すを相当と認め、民訴四〇七条により全裁判官一致の意見をもつて主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小林俊三 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 垂水克己)

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